消しゴム

私の消しゴムは小さい。

中学の時、友達の多くは安くて大きな消しゴムを粗雑に使っていた。

だけど、私は小さい消しゴムを丁寧に使っていた。

なぜ小さい消しゴムにこだわるのかというと、何も貧乏性だからではない。

自分の書いた文字を細かく消すことが出来るからだ。細かく消すということは、必然的によりよく注目するということになる。

このことは人生においても言えることだと思う。

特に確認することなく大雑把に消してしまうと、その中の大切な覚書さえうっかり消してしまう。

その言葉はもう二度と取り戻せない。

時にはごっちゃにしてまとめて消してしまうのも気持ちよくて大切なことなのかもしれない。

でもやっぱり細かなところまで確認し、把握して、不要な文字だけを確実に消せる人間の方が優れている気がするし、私はそうありたい。

消しゴムは無意識のうちに大切なものさえ消してしまう。

取り返しをつけるために開発されたものが、今度は取り返しのつかなくなる作用を示すのだ。

便利なものほど細かな気配りで使いこなして、自分の生活に応用していく、いわば石橋を叩いて渡る精神が現代社会では大切なのではないか。